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刀ミュで推しのスキルに滅多打ちにされた話

※本記事には、公演中のミュージカル『刀剣乱舞』〜三百年の子守唄〜のネタバレが含まれますのでご注意ください。

 

 

私は軍人や武人属性のキャラが好きだ。屈強な肉体と鋭い眼差し、強面に見えるが立ち振る舞いに品があり、戦場では「動」、平素は「静」の印象を与える。色事には疎いが生真面目で無骨な、そんな軍人や武人の在り方に憧れ、愛しいと思う。

 

………っていう性癖なものでね!今回の刀ミュ2部における、推し=蜻蛉切さんソロにひっくり返りそうになりましたよね何なんだあれは!? あのスマートでアダルティなR&Bナンバーは! あの流麗な英語は! 1部では初々しくてかわいらしかったのに!蜻蛉切さん!!!!!!!!!!

 

いやまあ、2部は最初からクライマックスだった。

 

1部のミュージカルが終わり、ライブ形式の2部開始直前、「衣装ぜったい性癖だから!衣装みてくださいね!」と同行させていただいたフォロワさん(ありがとうございました!)が言った直後に投影された画像が薔薇アンド蔦、「すでに性癖ーーー!!!!!」と最初からパニック。さっきまで徳川の歴史に涙ぐんでたのに突然のゴシック。

そして現れた刀剣男士達、軍服テイストなロングコート……………アッハイ性癖ド直球です。

蜻蛉切さんmeets西洋軍服最高では…と双眼鏡でガン見してて、いやいやいや他メンバーの衣装も気になるぞと移動したら物吉くんハット! 正解! 大倶利伽羅ちゃんの背中編み上げ! 大正解! 村正の裾からチラ見えするコートのインナー(ピンク)も最高ですね!!!!! とのっけから目が追いつかない。個別アングルをくれ。

そのコートの下のインナーも軍服テイストで、蜻蛉切さんナポレオンジャケットみたいなの着てた似合う…似合いすぎる…いま書いてて思い出したけどこのくだり蜻蛉切さんの衣装に夢中で他ほぼ記憶ない…ひどい………

 

その後ちょっとしたトークとかあって(たぶん)(なにせ記憶がない)また5人で歌うのかなと思ってたら、途中で「あ、あれコレって村正ソロ…?」と気付いた時には、村正が男性ダンサーさんを従えて踊ったり顎クイッてやったりしてた村正…!!!!!!!

実は村正ソロを拝むのは、本日二度目。なんと1部のっけから、紫の照明に彩られたあやしげバーレスクめいた村正ソロを俺たちは拝む羽目になっていた。しかもそこの照明にドットイメージが利用されており、「例の照明ーーー!」とジャニオタ発狂モノ案件だったんだ……。

ライブパートでのソロでも、村正の繊細なファルセットと圧巻の声量、妖艶に響く歌声の迫力は変わらず。大勢の男性ダンサーと他の刀剣男士メンバー従えて歌い踊る村正が海外の女性アーティストめいていてちょーーーーよかった。美貌の男性による妖艶なソロも大好物ですありがとうございます!

ラストで蜻蛉切さんと男女のペアダンス的な振り(村正が女性ポジ)やるのがも、グッドルッキングガイを侍らせる感があってめちゃくちゃハマってた。あまりのことに気を失いかけたけど。

 

どうにか意識を取り戻した私を待ち受けていたのは、大倶利伽羅とにっかり青江デュエット…!!!!!

 

タイプは異なるがどちらもシャープな美貌のふたりが歌い踊る姿、「アイドルグループ内で普段はシンメ・ペアではない2人による企画シャッフルユニット」感が最強すぎる。

あまりのアイドルっぷりに、最初ソロパートごとにキンブレの色を変えていた。立ち上がることもジャンプすることもオタ芸を打つこともできないから、キンブレの色でしかこのほとばしる情熱を表現できない……

 

そこから続いて物吉くんと石切丸さんのポップでキュートで元気なペア曲はかわいらしく、これもこれで正統派アイドルみが溢れている。

ふたりにキンブレを振りながら脳内では「この流れだと村正派ペア曲きちゃう!?」と思ってた。思ってたわけです。

最後までキュートな物吉・石切丸に拍手を送って、急に暗めの照明。そして階段の上に現れる蜻蛉切さん。村正はいない。

 

その佇まいだけでも、あまりのカッコよさに「ヒッ」と喉の奥で悲鳴をあげる。いやしかし満を辞しての推しのソロ、ここはキンブレを振り盛り上げねば。

 

と思った。その気持ちはあった。めちゃくちゃあったのだ。

 

しかしイントロが終わり響いてきた蜻蛉切さんの歌声を耳にして私は「!!!!????????」と硬直した。双眼鏡もキンブレも中途半端に持ったまま固まった。出来ることなら後ずさりたかったが、椅子の背もたれが私を阻む。

聞いてない。こんなの聞いてない。何だこの歌唱力は!?

ミュージカルである1部でも確かに歌は聴いていた。だがそれは、「蜻蛉切」というキャラクターとしての「歌(台詞の一部)」だった。

しかし2部のこのライブパートは歌がメインだ。息多めの発声、さらりと美しく響く英語、耳に馴染む甘い歌声は1部のそれとはまったく種類の違うものだった。両脇に男性ダンサーさんを従え、堂々と歌うその姿も。

 

しっとりした曲調、大人っぽい歌詞。クールでシックで、品の良さはそのままに、色気が滲み出るような歌声。

「ちょっ、まっ、まって」「きいてない」「なにをきかされているんだ」と呻きながら、意を決して双眼鏡を構えるも「いやカッコよすぎて無理ー!」とすぐ下ろす。ドルオタたる者キンブレを振ることに命を賭けよと己に命じているこの私が、惚けたように最後のほう少しだけ、ゆるゆるとキンブレを振ることしか出来なかった。凄まじすぎた。

 

好きなテイストの曲を、好きなキャラが、役者さんにより2.5次元に引き上げられて歌う様を生で目の当たりにする。それだけでも大分ダメージが大きいのに、あの歌唱力って。

 

そこからもう重傷行軍で、和太鼓が出て来るだけで「もうやだ…なんかたいこがでてきた…ぅゎぁぁ」とパニックになり「太鼓は毎回ありますよ!」と冷静に解説してもらったり、客席降りで蜻蛉切さんが近くに来てまた「ヒイィィィ!」って仰け反ったり、熱烈なファンサする様に萌えすぎて呻いたり、露出は苦手と言う蜻蛉切さんが「普段の方が露出多いですよ」と突っ込まれる様を微笑ましく思ったり、戦闘服で歌い踊る様はやはり力強くカッコイイなあと陶然としたり、いやもうあまりに色々なことが起きすぎて記憶が不明瞭。

 

終演後も「村正!」「村正派ソロなんなの!?」「とんぼさんソロどうかしてる!」「何故2部でドットイメージを使わなかった!?」「とんぼさんソロやばい」「村正派やばい」と語彙を失ったままギャーギャー騒ぎ、そのまま夜が明けるまで語り続けたい勢いだったが翌日の予定もあるので移動中に猛然とTwitterへ思いの丈をぶつけた。

 

推しの蜻蛉切さんが出るから、と今回はじめて観に来たので、刀ミュがどういう路線か知らなかった。

思っていたよりシリアスでシビアな要素もあって、でも今回は天下泰平を成し遂げた徳川家の話だからラストは本当にあたたかくて。物吉くんの最後の台詞に鳥肌が立ってしまった。

一生懸命にかつての主にお仕えした彼が直接、主にあの言葉を掛けることが出来て、よかったねえ……と泣くしかないでしょう、もう。

 

そしてギャグ要員めいていた村正。自分から脱ぎたがったり、隙あらば相手を脱がせようとしたり、つれない大倶利伽羅ちゃんを妙にかまったり、やりたい放題。無駄に一列に並ぶくだりホント笑った。色物が見事にハマっていた。

これまで観て来た舞台でもキャラ再現度高くて素敵な役者さんだな、とは思っていたが、今回は圧巻だった。口を開いてからは勿論、ただ黙って立ってるだけでも村正なんだよ。

 

村正の魅力が「動」なら、にっかりさんは「静」という感。

ポジション的にはストーリーテラーである石切丸をサポートする、どちらかといえば地味な役まわりだったんだけど、戦う身のこなしも敵を屠るときの表情も、思わせぶりな微笑みも、一部の隙もなくにっかり青江だった。

じわじわと石に水が染み込むように、キャリアの重みを感じた。

 

石切丸さんの「人を殺めるためではなく、人を救うため」という在り方が実感できるような、美しく儚く残酷な舞を見ているような感覚がすごく好きだった。

あと物吉くんの「理由なく人を殺めていいのか」という問いかけに対する返答が、あの場面の一連の流れが最高すぎて石切丸さんが更に好きになった……。

 

倶利伽羅ちゃんは、無表情なのに雄弁な大倶利伽羅ちゃんの佇まいが再現されていて、彼が巻き込まれた顛末とそれに対する反応もすごくすごく大倶利伽羅ちゃんらしくて、切なくて微笑ましくてよかった。

 

 

そして蜻蛉切さん、蜻蛉切さんの、生真面目さや無骨さ、融通のきかないかんじが再現されてて。独自の方法で赤子をあやしたり、肩に担いだりする様が「と、とんぼさん…とんぼさんがいる……短刀ちゃんたちもああやって肩に乗せてあげてる………」と感無量だった。かつての主への想いを堂々と歌う姿も、勇猛で素敵だった。

脱ぎたがる村正を窘めつつ、何かと気にかけていて、村正も村正で、蜻蛉切のことや村正派である己に矜持をもっていることがよくわかって。私は本当に村正派が好きだという思いが強まった。

 

1部は本当に、刀剣男士への、人間への、人の紡ぐ歴史への、慈しみやあたたかさに満ちていて、素敵なお芝居だった。

 

本来ならその、切なくてあたたかな気持ちのまま、学校で歴史を学んだ頃といま感じることの違いとか、徳川家康という武将の在り方とか、蜻蛉切さんの本多忠勝への想いとかを語るつもりだったのに…2部…2部があまりにも凄まじくてニューロンが焼き切れた……村正派にスキルメンを配置しようと考えた方は誰ですかありがとうございます……………

 

いまだに何か、あれは夢だったんじゃないかな!? と思うくらいには信じられないクオリティのパフォーマンスを観た。予想も期待も軽々と超えていた。

こういう思いがけない出逢いがあるから、現場には魔物が棲んでいるとおもう。これだからオタクはやめられない。

 

ありがたいことに、今回の公演は生とライブビューイングであと一回ずつ、観に行く予定が残っている。キャラクターの多い刀剣乱舞で、推しがミュージカルの舞台に立つのを観るのはこれが最後かもしれない。出来る限り正気を失わないよう心がけ、しっかりとその姿を目に焼き付け、抜かりなく会場でDVD予約を行う所存である。