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推しに会うため三島へ行った話

「推しに会いたい!」「生で御姿を拝みたい!」その一心で、三島まで遠征してきたオタクの観光日記。

※本記事における「推し」とはアイドルではなく「刀剣男士」における推しです。あらかじめご了承ください。

~ここまでのあらすじ~

2015年1月、擬人化された日本刀の活躍するオンラインゲーム『刀剣乱舞』の配信スタートと同時期、急転落下でKAT-TUNにハマり、とうらぶブームに完全に乗り遅れたてつたろう。
しかし2016年10月放送開始のアニメ『刀剣乱舞-花丸-』を見て、作画クオリティの高さとキャラクターの可愛さに興味を惹かれ、ぬるっと刀剣乱舞をプレイし始める。そして程なくして、運命の推し・蜻蛉切に出逢ってしまったのだった……

ということで、愛しの推し・蜻蛉切さんのお会いすべく、行ってきました静岡・三島。

せせらぎ回遊ルートはいいぞ

以前、フォロワーさんがTwitterに投稿されていた「せせらぎ回遊ルート」の写真がとても美しかったので、少し遠回りになるが、三島駅南口からの大通りを途中で脇道に反れ、源兵衛川水辺の散歩道へ。

おお…


おおおおお……!


川の上に渡された木造の散歩道や、ブロックを歩くアスレチック感。

水の澄んだ川は穏やかで、周りの緑に癒される。新緑の時期など、きっと更に美しいのだろう。


癒されるとか言ってたら、突然のヘルス銀座@三島。


線路沿いを歩いたり、急に寺の敷地内に入ったり、トンネルをくぐるのも楽しい!


三島駅から佐野美術館までの最短ルートは、車のよく通る大通り経由。それと比べると静かさも、雰囲気も全く違う。


ブロックではない普通の石の上を歩くこともあるので、ヒールはやめた方がよさそう。


鳥もナチュラルにいる。


私が歩いていた時間は、たまにすれ違う人もいるものの、写真のとおり殆ど人気がなく、人より鳥に会うことのほうが多いくらい。

大通りから少し脇にはいるだけで、こんなに静かな水辺に出逢えるなんて…! とこの時点でめちゃくちゃテンションが上がる。


現場(佐野美術館)で推しに逢う

25分ほど歩いて、佐野美術館に到着。宝物殿ぽい外観が好き。

わくわくしながら入口を抜けると、そこには……

等身大パネルヤッタ―――――――――――――!!!!!!!!

左が私の推し、本多忠勝の愛槍、天下三名槍が一本、蜻蛉切さんです!!! カッコイイ!!!!!!!!!!

右は伊達家で長らく大切にされていた短刀・貞ちゃん(太鼓鐘貞宗)。残念ながら、まだうちの本丸にはいません…元気ショタかわいい…はやくきてほしい……


接触は出来ないけど、列も無いし剥がしもいないから最前で撮り放題だ!


興奮気味で散々写真を撮りまくり、チケットを買って特別展『名刀は語る』へ。


刀剣を目的に美術展を見るのは初めてだったが、解説も丁寧で見どころがわかりやすく、刃文や反りの違いを比較してみたり、技巧を凝らした拵にテンションが上がったり。

生で見て初めて気づいたのは、短刀のほうが「グッとくる!」「好き!」と感じる刀が多かったこと。特に村正の短刀は、えもいわれぬ雰囲気があってよかった……


どの展示室も、なかなかの賑わい。列に並び、ひとつひとつじっくり眺めながら展示室を進む。

そして最後の部屋に、私の推しの、本体がいた。



まず感じたのは、静けさ。

威圧とは異なる、静かな、しかし確かな存在感。

「笹穂」のとおり、本当に笹を連想させられるしなやかな曲線だが、鏡越しに見る、彫り込まれた梵字や三鈷剣は力強い。

武骨さよりも、優美さよりも、とにかく「機能美」という言葉がふさわしいように感じた。


そこだけ空気が澄んでいる、と思った。

数多の戦で、数多の血を吸ってきたとは思えぬ、清らかな気配と姿。禍々しさが一切無い。


静かで、端正で、清廉で、ほんとうに、ほんとうにうつくしかった。

槍とは、人を斬り突き殺す武器とは、こんなにもうつくしいものなのか。こんなにうつくしくてよいのか。

初めて見る蜻蛉切さんの御姿に、半ば放心しながら見入っていた。


ひとしきり眺めて、一度その場を離れて、また戻って、舐めるように見て、また離れて、を何度も繰り返した。


どれだけ見ても満足出来ず、しかしいつまでもいるわけにもいかず、名残惜しさを感じつつ展示室を後にした。


コラボレーショングッズをしこたま買い込み、去り際、また蜻蛉切さんのパネルの前に立つ。


恵まれた体躯、勇壮ながら、幼い印象もあるかんばせ、露出の多い戦装束ながら、清廉で品のある佇まい。

ああ、絵師である源覚さんは、なんと的確に蜻蛉切さんの姿形を写し取ったのだろうか……。


佐野美術館の庭園で、蜻蛉切さんのうつくしさに思いを馳せた。


美術館には年配の方も多かったが、やはり若い女性のほうが目立ち、無論会話の端々から皆さま刀剣乱舞のプレイヤーであることが察せられた。

先日訪れた『本丸博』に続き、長らく蚊帳の外にいた「とうらぶ」の熱狂の渦の現場に踏み入れて、「なんか、やっぱいいなあ」としみじみした。


ジャンルには流行り廃りがある。いつかこの熱狂は冷めるかもしれない。渦は小さくなるかもしれない。

でも、自分は(彼女たちは)、時間とお金をかけて好きな日本刀を見に行ったことを忘れないだろう。「日本刀を鑑賞する」楽しみも忘れないだろう。

擬人化は、基本的に「最終回が無い」ジャンルだ。

ヘタリアにハマった私が今も、国際情勢や好きな国の文化・食べ物に目を向けるのと同じように、私は日本刀のことも気にかけて、この先の人生をおくるだろう。


蜻蛉切さんが現存する限り、私は私の推しに会いにまた、三島へ行くだろう。

五十年後、私が年老いても、蜻蛉切さんは丁寧に守られ手入れされ、あの美しい姿を見せてくれる。

百年後、私が死んでも、蜻蛉切さんは変わらず天下三名槍として、主である本多忠勝の武功と共に語り継がれ、後の世の人たちに大切に愛でられる。


なんかそういうことを考えるとオタクは、たまらない気持ちになってしまうんですよね…「人」とは異なる時間の中にある「もの」の在り方にね……


三嶋大社と三島ごはん

いつまでもぼんやりしていられないので、少し歩いて三嶋大社へ。

ミュージアムショップで蜻蛉柄の御朱印帳を手に入れたため、御朱印デビュー。神鹿園で雨に濡れる鹿を愛で、近くのカフェ・Meyciさんへ。

ここでは蜻蛉切さんと貞ちゃんのモチーフ・蜻蛉と雀があしらわれた「名刀ラテ」が飲める! カワイイ!

ラテ目当てのオタクだったが、「ハニーグラハムパンのキャロットラペツナ&麻の実とゴマパンのシュリンプサラダ」(写真撮り忘れた)もめちゃくちゃ凝ったお味で美味しかった…また食べたい……

そして三島駅まで戻り、寿司屋で昼間から熱燗をキメて、推しに会う旅は終了。

三島はごはんも美味しいし(時間に余裕があれば鰻とかさわやかのハンバーグとかも食べてみたかった!)、昔ながらの定食屋も、観光客向けの鰻屋も、オシャレなカフェも混在してて、水辺も街中も散策が楽しい。沼津にも熱海にも近い。あらためて良いところだった。

次はいつ会えるかわからないけど、また推しに会いに三島に行きたい。