コミュ障天才ハッカー少年とエンジェル投資家オッサンのサイバー冒険譚『王様達のヴァイキング』がめちゃくちゃ面白いよって話

俺は 世界征服がしたい、お前の手を使って。

1巻50ページ

昨年から、今いちばん面白いと推し続けている『王様達のヴァイキング』。

社会性が極端に低く、身よりのない天才ハッカー少年。人生に行き詰まっていた彼が、ベンチャー企業に個人投資するオッサン(エンジェル投資家)に出逢い、手を差し伸べられ、助けられ、もがきながらも自分の頭と手でPCを操り世界と繫がっていく。

少年漫画ばりにめちゃくちゃ熱く、青年漫画的なマニアックさも兼ね備えた漫画だ。


明日4月30日に待望の7巻発売ということで、浮足立ってこの漫画の好きなところを語ろうと思う。


王様達のヴァイキング 1 (ビッグコミックス)

王様達のヴァイキング 1 (ビッグコミックス)

表紙右側の男性が、坂井大輔(40)。

パワフルで情熱的なワーカホリック。人心掌握し周りを巻き込む力があり、交渉術にも長けたデキる男。

だが家じゅうに服を脱ぎ散らかしたり、四六時中誰かと一緒じゃなきゃダメだったり、一人でスタバに入れなかったりとチャーミングなところもある。

27歳で起業、2年後に会社を20億で売却。その後は創業したばかりの企業に個人資産から投資し、投資先から見返りに株式の提供を受ける「エンジェル投資家」に。

気に入らない世界に合わせて、お前が変わるか?
俺は御免だね!!
嫌ならばひっくり返せばいい!!
わがままに生きようぜ!!

5巻199ページ

この台詞どおり、坂井さんは派手で面白いこと大好きで、欲望が強くスケールがでかい。スカイツリー貸切で上場パーティ開いたり、即決で1千万円出したり、言動が常人じゃない。


そして左側の少年が、是枝一希(18)。

母が男と逃げ、義父に育てられるが死別。高校中退、コンビニバイトで3回ともクビになる社会性の低さ。

だが初対面の技術者から「人間スパコン」と評されるほど、天才的な発想力・高い技術力を持つハッカー。システム構築も破壊行為もどちらの腕も神業・ハイスペック。

これで失敗したら?
これを仕事にして、もし嫌いになったら?
これが… PCが僕の全てなんです。

1巻46~47ページ

現実の世界ではうまく生きられず、憂さ晴らしにサイバー攻撃に走っていたところ、坂井さんに見つかり手を差し伸べられる。

その後は坂井さんからの出資を受け、サイバー犯罪の絡む様々な仕事に取り組むことに。

僕は…作りたいんです…
生きててもいい…理由を…
つくりたいんです 自分で…

1巻80~81ページ


『王様達のヴァイキング』は、是枝くんの成長を軸にした、是枝くんと坂井さんの冒険譚。


フィールドはサイバー空間。

武器はPCを操る己の手と頭。


与えられた材料を組み合わせて思考する「謎解き」にとどまらず、更に自分の頭と技術を使い、周囲と協力して「問題(事件)解決」するというストーリー展開が面白い。

扱われる事件も、ATM遠隔操作事件、ネットゲームでのマネーロンダリング、車両遠隔操作などなど現代性が高く、IT・Web関連の知識欲も刺激される。



公式Twitterアカウントが3つあり、漫画の特性を活かしてリアルとの境界を崩してくるところも楽しい。

特に坂井さんは、バレンタインデーや年末の紅白歌合戦等、リアルタイムな話題をつぶやき、実際に本人がTwitterをやっている感が強い。

上記のツイート等、漫画本編(5巻12ページ)にそのまま出てくるつぶやきもありニヤリとしてしまう。

是枝くんの飼い犬・256のアカウントは、時にこんな問題を出すことも。

正解は以下参照↓

こういったWebやプログラミングの知識が増えるのも楽しい。



そして何より、坂井さんと是枝くんの関係性にグッとくる。

当初は是枝くんの性格もあって「酔狂な投資家と飼い犬(しかも狂犬)」という風情。

だが是枝くんが自分の活かし方を見つけてからは、坂井さんの役割が保護者から翻訳者へ変わってゆき、そのうち是枝くんもほぼ一人で仕事が出来るようになってゆく。

愛情や友情といったつながりではない。ふたりは投資家と企業家というビジネスパートナーであり、同じ仕事に取り組む仲間でもあり、人生・仕事における師弟でもあり、疑似父子のようでもあり、とんでもない運命共同体でもある。

仕事はな、航海と同じなんだよ。
快適な旅の翌日に生死を懸ける時が来る、それでも目指すんだよ新大陸を。
俺は、新しい世界をお前と一緒に見たい。

1巻211ページ

世界中の人達に無視されても、たった一人 話を聞いてくれた人がいて、僕は世界と繫がれた…

4巻124ページ

人間は誰しも無意識に支配されている、“常識”ってやつにな。
だが、是枝はどうだ?
あいつはハナから常識なんていうブレーキが壊れてるんだよ。

否定をしない―――
可能性の扉を開くのはそういう人間だろ。
新しい仕事をするうえで大切にすべきことを、あいつはいつも思い出させるよな。

6巻189~190ページ

「異なる能力を持つふたりが、互いのスキルを活かして共闘する」という相棒物が私は大好きなので、是枝くんの成長に伴い少しずつ変化するふたりの関係性も非常に楽しみな要素のひとつ。



そして明日、4月30日発売の7巻。

王様達のヴァイキング 7 (ビッグコミックス)

王様達のヴァイキング 7 (ビッグコミックス)

人身売買が行われる闇サイトへの潜入捜査というヤバそうな題材、表紙を飾る変態クラッカー・「laughingcat」も登場するようで、ますます目が離せない。

上記サイトでは1巻1話の立ち読みも出来るので、興味持たれた方は是非どうぞ。



余談だが、このつぶやきをリツイートしたら「天才少年のビジュアルが今の上田くんすぎて笑いましたw」と言われてしまったし、自分でも薄々気づいていた。

ということで『王様達のヴァイキング』映像化の際は是枝くんを是非、KAT-TUN上田竜也さんでよろしくお願いします。

アラサーですが年齢を感じさせない美貌、アイドル誌のグラビアで「狂気」の表現が完璧すぎてお蔵入りになるほどの憑依系の表現者である上田さんは、常識というブレーキぶっ壊れてる狂犬・是枝くんにハマると思いますので何卒ご検討ください。